岡山を舞台にした小説、原田マハさんの『でーれーガールズ』を読みました。
もうすぐ映画も公開されます。イオンシネマ岡山にて先行公開。 学生時代の鮎子を優希美青、武美を足立梨花が演じています。二人はNHKの朝ドラ『あまちゃん』でも共演していましたね。
追記:2015年2月公開、DVDも発売されています。
10代ならではの不器用な自分を思い出す
「でーれー」は、岡山弁で「ものすごい」の意味。
東京から引っ越してきた主人公鮎子と、その親友武美の友情の物語。
少し世代は違うけれど、10代の女子ならではの葛藤とか不器用さとか、そういうものが描かれていて、高校の頃を振り返ってみたり。
なかったことにはできない。それが、生きてるってことなんだから。
そう、こういう風に割り切れないのが10代なんだよな、と。自分を守りたいから、ついいろんなことを正当化したくなって、言い訳して、ふっきれずうじうじ考えてしまったり。
20代半ばぐらいからかな。傷ついたり傷つけたりも全部受け止めて、それも含めて自分なのだと思えるようになったのは。
外から来たもの特有の居心地の悪さとか違和感とかも、子どもの頃に引っ越しを経験した身としては、わかるなあその気持ち、と思いながら読み進めました。
個々の性格にもよるのだろうけど、うまく馴染もうと意識するあまり、空回ってうまくいかないとか。若さゆえの痛々しさみたいなものが、いくつかのエピソードとともに書かれていて、誰しもこんなことあったな、と思い出すきっかけになるのではないでしょうか。
最後の展開が個人的にはすっきりしませんが(;´・ω・)
また読み返したら感じ方も違うだろうし、もう少し時間を置いて再読したいと思います。
小説の中に出てくる岡山のお菓子がどれも魅力的。伊部屋の大手まんぢゅうと白十字のスイーツは実際に買ってみたんですが、ときどきお土産に買って帰るぐらいに気に入っています。岡山に来ることがあれば、作品ゆかりのお菓子にも注目してみてください♪
時間を忘れてゆっくり過ごしたい「カフェモヤウ」
初めて岡山を訪れたとき、川沿いから後楽園、岡山城へと続く風景に、魅了されました。空と川の青、木々の緑。ひと目見てこの町のことが好きになりました。
マハさんもきっとこの景色が好きだったんだろうな、というのが小説から伺えます。
近くにある「鶴見橋」は、物語の中で重要な場所となっています。橋を渡った向こう側が後楽園。
橋のたもとにあるカフェ、モヤウさんからの眺め。
古民家を改装して作られていて、畳の部屋にこたつがあったり、どこかほっとする空間です。
夕暮れ時に、空の色が少しずつ変わっていくのをただぼんやり眺めているだけで、不思議と心が落ち着いてきます。時間を忘れてのんびりしたいときは、ぜひモヤウさんへ。
おわりに
岡山市内には、小説の中に出てくる場所が他にもたくさんあります。
でーれーガールズの舞台を巡る - 岡山市の観光・コンベンション情報サイト おかやま観光コンベンション協会
観光名所としては倉敷の方が有名かもしれませんが、岡山にもいろいろと見どころがあるので、気になったところをまわってみてくださいね。