天草、という場所を知っていますか?
今から6年前、2012年の夏。縁あって天草旅行へ行くことになりました。
天草と聞いて思い浮かべるのは、日本史で習った天草四郎という人物。島原の乱が有名なので長崎かな?と思いがちですが、天草諸島は熊本県の南西部に位置しています。
当時熊本出身の友人が天草で教師をしていて、大学時代仲の良かった3人で集まろうという話になりました。3人の中で最も多忙で時間が取りにくかったのが、天草に住んでいた彼女。
だったら彼女のいる天草にとりあえず行こうと、思い立ったら吉日。比較的行動力のある私たちは天草に滞在する日にちを決め、それぞれ休暇を取って天草行きのチケットを手配することに。
どこまでも青く澄んだ海と空。ここに辿り着くまでどんなところなのか想像もつかなかった天草。
行くのを決めたものの、後からよくよくネットで地図を見てみると、当時住んでいた愛知からはとっても遠い道のりなのでしたw
天草の夏。空も海も真っ青。教会をめぐりおいしい魚介を食べ、船に乗ってイルカを見たり。まさに大人の夏休みって感じだったな。 pic.twitter.com/VORnEDx3bq
— meg (@yukimegri) 2015年8月2日
旅行が好きで、ブログで旅行のことを書いているという話をすると、今まで行った中でどこがいちばんよかった?と尋ねられることがあります。
どこもそれぞれ魅力があって一つには絞れないのですが、間違いなく天草は「記憶に残る」旅先の一つです。
(長いので、気になるところをクリックして読んでもらえたら!)
天草滞在1日め
イルカがかわいい天草エアラインの飛行機に乗って伊丹から天草へ
愛知から天草へ。一体どうやって行くのか調べてみたものの、列車や飛行機を乗り継ぎ、お金も時間も想像以上にかかるようで、どうしたものかと悩んでいました。
すると、天草に住む友人からメール。「大阪から飛行機があるよ!」と。
え?大阪?そんなルートがあったのね、とすぐに検索。天草エアラインという小さな航空会社がたった1機の飛行機で大阪、熊本、福岡から天草への便を運航していることがわかりました。
機体には天草らしいイルカが描かれていますよ。現在はもう少しブルーが濃いめのデザインです。
そのとき使ったのが天草エアライン。愛知在住だったので伊丹空港まで出て、この小さな飛行機に乗りました。定員は40名程。晴れていたら瀬戸内海の島々も見えます。鉄道旅もいいけど、こちらもなかなか乙です。 pic.twitter.com/LEyU22hW4l
— meg (@yukimegri) 2015年8月2日
交通費節約のため、伊丹空港までは在来線とバスを乗り継いで。新快速を利用して3時間程かけて行きました。天草エアラインの熊本経由便で天草までさらに約3時間。
1日めはほぼ移動のみ。天草空港からバスで本渡という天草の中心部まで行き、夕方ようやく宿に到着しました。
飛行機の中でもらったもの。くまモンはいろんなところで見かけましたね。
チケットの予約は、天草エアライン公式ページにある宿泊付きプランを利用しました。リンク先ページのいちばん下にある、大阪発天草フリープランです。
(予約はパンフレットに記載されている旅行会社へ直接連絡、またはお近くの旅行代理店で手配を依頼してくださいね。)
AMXの旅プラン・ツアー情報 | 天草エアライン AMX | 航空券 空席照会・運賃案内・時刻表
大阪以外に、福岡、熊本、東京発のプランがあります。日程によっては列車や他の航空会社で行くより安くなることもあるかもしれません。選択肢の一つにどうぞ。
シンプルでおしゃれな旅館「和み宿新和荘海心」
天草には3泊しました。初日はフリープランで予約した旅館に、2泊めは友人のアパート、3泊めは友人の家族や親戚と集まって民宿に泊まりました。
初日に宿泊した新和荘海心は、本渡のバスセンターから近く、平日は1名利用が可能ということで選びました。
当時のプランだと1名1室で利用できる宿は限られていたのですが、現在は一人で泊まれる宿が増えていて、土日でも予約可能です。
緑が気持ちいい中庭を通って宿泊棟へ。
1名利用のため部屋は至ってシンプル。トイレ付き、バスなしですが、2種類の貸切風呂が空いていれば自由に使えるスタイルです。
トイレもお風呂も木のいい香りがしてほっとします。部屋は小さいながらも木のぬくもりが感じられて、リラックスできる空間でした。
朝食は中庭を挟んだ向かい側のカフェで。
フリープランのホテルの中では安い方だったため期待していませんでしたが、予想以上におしゃれで使い勝手のいい宿でした。また天草に行くことがあればぜひ泊まりたいです。
程よい量の朝ご飯。小さくてシンプルな器が料理の彩りを引き立てますね。天草は陶磁器が有名。良質な天草陶石は、有田や瀬戸の高級磁器の原料にも使われています。
デザートに杏仁豆腐が嬉しい。
▼和み宿新和荘海心を予約▼
天草滞在2日め
キリスト教伝来の歴史に触れる天草四郎ミュージアム
2日めは午前中から友人の旦那さんの車で天草をドライブ。公共交通機関はあまり多くないため、レンタカーやマイカー利用の方が融通が利いて便利です。
上天草にある天草四郎ミュージアムを目指しました。
上天草は九州本土に近い方。本土から宿のある天草下島まで、全て橋で繋がっています。
こういうベタな箱モノってどうなんだろう?と思いながら(;・∀・)せっかく天草まで来たので、とりあえず観光地らしい観光地を見ておこうと行ってきました。
天草知ろうw
展望台からの景色。天草の海を見渡せます。
近くの道の駅「上天草さんぱーる」にも立ち寄ってみました。お土産や地元の野菜、新鮮な魚が買えます。海鮮丼が人気らしいですよ。
岩陰に小さな仏さま……ではなく、マリア様。キリシタンが迫害されていた時代、観音像に似せたマリア観音を用い、ひっそりと祈りを捧げていたそうです。
窓辺から山と海を一望「Spaceかるでら」でパスタランチ
天草下島まで再び戻り、事前に調べて気になっていたカフェ、Spaceかるでらへ行ってみました。
涼し気な器に入ったサラダとハーブが効いた冷製パスタ。
ここはカウンターの大きな窓から山の緑を一望できます。天気がよければ海の向こう、長崎の雲仙まで見渡せるそうですよ。
器選びが楽しい丸尾焼窯元のギャラリー
豊富な天草陶石が採れる天草にはいくつかの窯元があります。友人おすすめの丸尾焼窯元のギャラリーへ連れて行ってもらいました。
広めの店内に落ち着いたデザインの器がたくさん並んでいて、見てるだけでも楽しいですよ。外のお庭スペースもおしゃれです。
縁取りの丸い陶器がかわいい。
友人がこのお店によく通っていたので、店員さんのご厚意でコーヒーとアイスをいただきました。こんなふうに器を使える余裕のある生活を送りたい(*´ω`)
海に囲まれた天草の地元の居酒屋でいただく新鮮な海鮮料理
夜は地元の居酒屋、入福で海鮮料理を堪能。
友人との久しぶりの再会。何を食べてもおいしいに決まっているのだけれども、海に囲まれた天草の新鮮な魚介はまた格別です。
鱧って西日本でないとなかなか食べれませんよね。
天草滞在3日め
シュノーケリングの人気スポット「妙見浦」
3日めは天草下島の海沿いをドライブ。妙見浦は天草西海岸を代表する岩礁で、シュノーケリングやダイビングのスポットとして人気です。
波が穏やか。水の透明度は抜群です。
高浜焼寿芳窯と上田家旧家を見学
前日の丸尾焼に続き、高浜焼の窯元でも陶器を見てきました。白いシンプルなスプーンを購入。お隣に上田家旧宅という渋い好みな古民家を発見し、散策してきました。
まだ小さかった友人の息子くん。そしてこの子の妹ちゃんはこのとき友人のお腹の中でした。ここへ一緒に来たこと、覚えているかな?
貝殻がオブジェのように飾られているのが海の近くならでは。
天草の教会を巡る
白亜の大江教会
大江教会は、丘の上に建つロマネスク様式の美しい建物。
青空に白が映えますね。
周囲の景色や鮮やかな花の色がやはり南国らしい。
世界遺産に登録された崎津集落 海の天主堂「崎津教会」
崎津教会がある崎津集落は2018年6月に世界遺産に登録されたばかり。
こちらはゴシック式の教会で、珍しいのは内部が畳敷きなこと。和洋折衷が面白いです。
崎津教会は海のすぐそば。のどかな港町の風景の中に教会があるという、ここでないとなかなか見られない光景だと思います。
海が見える小さな路地。お店の前に看板猫さんがいましたよ。
不思議と猫さんの柄も教会や路地の色に馴染む色。
日本三大ちゃんぽんの一つ、天草ちゃんぽんのお昼ご飯
ちゃんぽんといえば長崎が有名ですが、ここ天草にもちゃんぽんのお店がたくさんあります。天草ちゃんぽんは、長崎ちゃんぽん、小浜ちゃんぽんと並ぶ日本三大ちゃんぽんの一つなのだそう。
海の向こうはすぐ長崎の島原。キリスト教伝来の歴史といい、長崎と天草は文化が似ているのですね。天草ちゃんぽんは鶏がらだしが特徴です。
大江教会の近く、メーンの盛というお店でいただきましたが、『マツコの知らない世界』で紹介された明月のちゃんぽんがおいしいと評判。次はそちらでも食べてみたい。
参考:【明月】なぬっ?日本三大ちゃんぽん? | まいぷれ|今日のランチ|佐賀 | まいぷれ[佐賀市]
野生のイルカに遭遇!イルカウォッチングは天草観光の定番
天草下島の北、橋を渡って行ける通詞島にこの日の宿、イルカ館があります。
▼民宿イルカ館を予約▼
日帰り温泉施設、ユメールの大浴場を無料で利用でき、家庭的でアットホームな宿です。
バケツに入った獲れたてのウニをその場で開いて食べるという、豪快で贅沢な晩ご飯をいただきました。
写真が残っていないのは、食べるのに夢中だったからだと思われます(;´∀`)
宿の近くで見かけた賢そうなワンコ。
イルカ館がある通詞島の沖合には野生のイルカが生息しています。イルカウォッチングは天草観光の定番!なんと遭遇率は98%。これで見れなかったら悲しすぎますねw
イルカウォッチングは宿泊プランにセットされているものが多いですし、単独で予約しても。この日は友人の知り合いの漁師さんの船を貸し切って、イルカウォッチングと海釣りの両方を体験してきました!
小さな漁船はよく揺れます。あっという間に海の真ん中へ。初めての海釣りだったんですけど、友人の親戚に教えてもらいながら2、3匹釣れて感動でした!
そしてお待ちかねのイルカウォッチング!初め船長さんが場所を間違えて見れないというハプニングがありましたが、移動した先でイルカの群れに遭遇できました。
生き物を撮るのは難しいですね。かなりの数のイルカが泳いでいて、親子にも会えましたよ。
天草滞在4日め
通詞島の民宿イルカ館で迎えた朝
朝みんなより早く目が覚めて、宿の周りをぶらりとお散歩。早朝の海は穏やかです。
キジの「ケーーッ」ていう声を久しぶりに聴きました。 岐阜の大垣で働いていたとき、倉庫内の自然がワイルドすぎて、ときどきキジの親子に遭遇したことを思い出しますw
住んでいた愛知のアパートは周りにあんまり緑がなくて、この光景にほっとしたのを覚えています。
岡山に来てからは当たり前になりましたが、夏の朝、蝉の声で目が覚めるとか。
都会にいると聞こえないものがこういう場所に来るとたくさん聞こえて、やはり自然が身近にあるところで暮らすのはいいなーと感じたものです。
あっという間の4日間の天草滞在。友人の家族とも合流して、いつもの相方との二人旅ではできない、貴重な体験をさせてもらいました。
忘れられない大人の夏休み。次はいつ天草へ行こうかな。