甲生からバスで豊島美術館へ。13:39発のバスに乗り、10分程で到着しました。
バス停を降りると、海へと続く坂道が現れます。ネットで豊島を検索するとよく出てくる画像ですね!あいにくの曇り空で絶景とはいきませんでしたが、前を颯爽と行く外人さんが素敵で思わず写真に収めてしまいました(*^^*)
自然と一体になれる豊島美術館
美術館の敷地の入口辺りには既に行列ができていて、スタッフが整理券を配っていました。待ち時間は15分程。雨が降り出してきてしまい、チケットセンターの建物の中で待つことにしました。
時間になったらスタッフの指示に従って美術館へ。ミュージアムショップの辺りからぐるっと回り込むように敷かれた遊歩道を通っていきます。
途中海が見えたり、ベンチがあったり。
美術館の建物。不思議な形をしていますね。
豊島美術館 内藤礼
中は柱のない真っ白なコンクリートの空間。上に空いた穴から風や音や光を感じることができます。寝そべっている人もわりといて、ときどき低い音が響いていたのはいびきだったのかな?
床に目を向けると湧き出る小さな水滴や水たまりがあちらこちらに。それも含めて作品なので踏まないよう注意されていたのに、気を抜くとうっかり踏みそうになります(;^ω^)
ちなみに建物も水滴をイメージして作られているそうです。設計はSANAAの西沢立衛氏。
ミュージアムショップはひと回り小さな建物。中には円形のベンチと小さなテーブルがあって、カフェとして利用することもできます。
豊島美術館はネットでの評価がすごく高くて、何時間でもいられるといったコメントも見かけました。確かに面白い場所ではあるけれども、同じように自然と空間を使った作品ということであれば、ジェームズタレルのオープンスカイ(直島地中美術館)やタレルの部屋(金沢21世紀美術館)の方が個人的には好きでした。
それは自分が田舎育ちで、自然が身近だったことが影響しているようにも思います。季節ごとに変わる風の匂い、鳥や虫の声、雨露に濡れる草花や一面に広がる田んぼの緑。そういうものが子どもの頃から日常にあふれていました。
そんな自分にとって自然の小さな移ろいを眺め、自然との一体感を得るような豊島美術館の試みには、あまり新鮮さを感じられなかったのではないかという気がしています。ただ、もうちょっと人が少ないときだったら、ゆったりと過ごせて感想も違ったかもしれません。
海の方を見下ろすと美しい棚田が広がっていました。美術館を作る際に地元の人とともに再生させたとのこと。天気がよければ周りを歩いても気持ちいいでしょうし、待ち時間も苦ではなくなりそうですね。
唐櫃岡の路地を歩いて作品を巡る
豊島美術館から唐櫃岡集会所のバス停まで歩いて10分程。上り坂でしたが家浦-甲生間に比べたらずいぶん楽でした。
昔から変わらない雰囲気の入り組んだ路地を進んで作品を見に。唐櫃は豊島でいちばん最初にできた集落だそうです。
作品『空の粒子』の近くに弘法大師が掘ったと伝えられる湧水、「唐櫃の清水」があります。水に恵まれ作物が豊かに育つことが「豊島」と呼ばれる所以とも。
水は豊島美術館にも使われているモチーフですし、島のルーツともかかわっていそうな重要なスポットなので、作品巡りと合わせて立ち寄ってみてはいかがでしょうか。今回は時間がなくて行けませんでしたが、また改めて訪れてみるつもりです。
嵐がやって来て、過ぎ去るまでの約10分間を表しているという体験型の作品。ちょうど雨も降ってきて少し離れたところからも音が聞こえていたので、てっきり本当の雷の音かと思ってしまいました。
ストーム・ハウス ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー
宿泊施設とアート作品が一体になった檸檬ホテル。1日1組限定で宿泊ができます。
庭にはレモン畑。
受付で渡されるイヤホンガイドの音声に従って、基本的には二人一組で作品を体験します。キーワードは「ほほ檸檬しなさい」
檸檬ホテル スマイルズ
聞こえてくる音声がいかにも昭和なノリでなんとも言えないんですけど、これって外国語に訳されたバージョンだとどんな感じなんでしょうね。そこが気になりました。
冷たいレモンスカッシュがおいしかったですよ。
島キッチン 安部良
蔵の中で作品を鑑賞。
あなたの最初の色(私の頭の中の解-私の胃の中の溶液)
唐櫃岡では雨が降ったりやんだり。帽子と手ぬぐいでだいぶ雨をしのげました。やはり旅には手ぬぐいが役に立ちます。
唐櫃岡で気になったお店
みかん小屋
雑貨屋さんかな?と思ったんですが、どうやら島キッチンの一部みたいです。
食堂101号室
水口商店
お酒と食料品を売っているお店。入口の暖簾が小粋。
唐櫃浜の屋外作品
16:23発のバスで唐櫃港へ。豊島美術館を経由して5分程度です。屋外で自由に見られる作品を1つだけ見て、豊島のアート鑑賞は終了。
バスケットボールがちゃんと置いてあって、童心に返って遊びました(*´ω`)
勝者はいない─マルチ・バスケットボール イオベット&ポンズ
何かが違うドラえもん(笑)
唐櫃港ののどかな風景。
雨が本降りになってしまい、近くにあった「涼風庵」へ。17時を過ぎても開いている貴重なお店で、とても居心地のいい場所でした。甲生で立ち寄った「ドンドロ浜商店」と合わせて豊島のカフェを紹介しています。
閉店時間の18時まで雨宿りさせてもらい、18:20のフェリーで宇野港に戻りました。行きは小型の旅客船でしたが、こちらは大きめのフェリー。積み残しの心配がないので、時間が合うならフェリーを利用する方が安心です。
豊島へのアクセス
豊島へは宇野港(岡山)と高松港(香川)から船が出ています。
宇野港の駐車場やフェリー乗り場についてはこちらの記事で紹介しています。
(直島行きと同じ乗り場ですが、フェリーと小型旅客船で場所が違うので注意。)
高松港から豊島へは直行便・直島経由・小豆島経由の3通りのルートがあります。
直行便と直島経由は小型の高速船で人数制限があり、混雑時には整理券が配られます。乗れなかったときのために小豆島ルート(大型フェリーが多め)も調べておくといいですよ。
こちらのページがよくまとまっていて参考になります。念のため最新のスケジュールは各船会社のホームページやインフォメーションセンターなどで確認くださいね。
家浦から甲生までの記事で書いたように、豊島内の移動は電動自転車がおすすめ。バスは時間と乗車できる人数に限りがありますが、徒歩とうまく組み合わせると自転車よりも安くまわることができます。
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