晴れの国から旅まち巡り

岡山に移住した三重県人によるブログ。岡山を中心に旅やグルメの記録を発信。

岡山から台湾3泊4日旅行記⑨二二八和平公園で台湾の歴史を学ぶ

台湾旅行3日目の続きです。雙連朝市でお粥の朝食を食べたあと、再びMRTに乗って二二八和平公園へ向かいました。 

二二八和平公園へは、MRT淡水信義線で雙連駅から3駅。台北駅方面へ戻り、台大医院駅下車すぐです。

ちなみに台大医院駅構内のトイレはとてもきれいでした。アジア旅でちょっと気になるトイレ問題。猫の村猴硐も清潔なトイレ完備でしたし、今回の台北旅ではだいたいどこも安心して使えましたよ。

 

 

広々とした緑いっぱいの公園。街中にこういう空間があると安らぎますね。台北駅からも歩けなくはないです。体力のある方は散歩コースにどうぞ。

こちらが公園の中にある二二八記念館。

もともとは日本統治時代に建てられた「台北放送局」、ラジオの放送局でした。

 

入館料20元を払って中へ。中の展示は中国語メインですが、見出しや重要な部分は英語と日本語の表記もありました。日本語のパンフレットをもらっておくといいですよ。これを読みながら展示の日本語を追うだけでも概要がつかめるので。

日本語パンフは「日文資料」と書いて見せたらわかってくれるはず。

音声ガイドの貸し出しサービスがあったので、もっとじっくり見たい場合はそちらを利用するといいですね。身分証明書またはデポジット1,000元が必要です。

 

1階と2階に渡り、1947年に起きた二二八事件やその前後の歴史、犠牲となった人々に関する資料が展示されています。ちゃんと見ようと思うとかなりのボリュームがあります。どのぐらい滞在するか時間を決めておいて、その範囲で見てまわるのがよいかと。

公園のシンボルとなっている台北二二八記念碑。パンフレットによれば、この碑を中心に3つの異なる時代(清の時代、日本統治時代、国民党政権時代)の建物があるそう。台湾博物館、南門、中山堂等が周辺に位置し、時間、空間、歴史が凝縮された形になっています。

 

さて、皆さんは台湾の二二八事件をご存じでしょうか?恥ずかしながら私は二二八記念館を訪れるまで、全く理解していませんでした。

詳しい解説はWikipedia先生にまかせるとして… 

 

そもそもの発端は、1947年2月27日闇タバコを違法で販売していた女性を、取り締まりの役人が殴打。政府の役人による汚職や不正に不満を募らせていた多くの市民が、この女性に同情して集まってきたため役人は銃を発砲。それが罪のない一般人に誤って当たり殺されてしまったことで、二二八事件へと発展。

翌28日、事件に抗議する人々がラジオ放送局を使って台湾全土に情報を伝え、市民に行動を起こす決意を促しました。その重要な役割を担ったことから、事件発生から50周年にあたる1997年2月28日、放送局だった建物を利用して、二二八記念館が作られました。

 

台湾の民主化のために立ち上がった人々の運動はあえなく弾圧され、戒厳令が解除される1987年までの38年もの間、抑圧と沈黙の時代が続くことになります。白色テロと呼ばれる恐怖政治によって、知識人を中心とした多くの罪のない台湾人が投獄、処刑されました。

 

今はどうかわからないけど、少なくとも私が学生時代受けた教育では、近現代史はほとんどスルー、あとは自分で読んでおいてね、という程度でした。たいてい授業は古い時代に時間が割かれ、後半は時間がなく試験のために参考書等を読んでおくぐらい。事件の名前だけはなんとなく聞いたことがあっても、詳しいことはよっぽど興味を持って知ろうとしない限りわからない。

 

教育のせいにするつもりはないですが、ただでさえ敏感な隣国との関係。何も知らなくては議論もできません。中国留学中、ルームメートの韓国人に竹島問題について尋ねられ、曖昧なことしか返せなかったのも残念でした。

結局こういう問題は、国によって解釈や主張が違う(それぞれの政府の思惑がありますからね…)のが当然。だからそういうナイーブな話題には慎重に、できたら当該国同士ではその話題は避ける、ぐらいが大人な対応なのだと今ならわかります。(ルームメートの彼女はかなり変わった子でした。)

 

中国の文化大革命もそうですね。革命という名のもとに、多くの知識人が犠牲となりました。それも日本の教育ではほとんど触れられていないように思います。

 

こういうことを誰もが見られるブログに書くのは難しいところですが、二二八事件も文化大革命もよく似た性質のものだと感じました。もとはといえば国共内戦で争っていた国民党、共産党それぞれが行ったこと。とはいえ、やっていることは同じではないかと。

 

二つの事件について描かれている映画があるので、興味のある方はぜひ見てみてくださいね。

悲情城市 [DVD]

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活きる 特別版 [DVD]

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『非情城市』はまだ見てないのですが、チャンイーモウの『活きる』は好きな作品の一つ。女優のコンリーが名演。

チャンイーモウの映画は、古い作品の方が社会的に弱い立場の人々にスポットを当てたものが多く、中国では上映禁止になったりもしています。最近はハリウッドに進出して派手なアクション映画のイメージがついてしまっていますが。

 

話を戻して、日本と台湾の関係についても、記念館の展示からいろいろ思うところがありました。日本統治時代、台湾は日本の支配下に置かれながらも、一部の民主化運動は認められていきました。雙連のお粥やさんで出会った年配女性が話していたように、優秀であれば日本人と全く同じ教育を受けることも可能でした。太平洋戦争では、台湾の人が日本兵として訓練を受け、日本のために戦いました。

おそらくですが、よくも悪くもこの時代の日本による教育が功を奏し、日本に対する愛国精神が台湾の人々の中に育まれたのではないでしょうか。そしてその後の国民党による政治は、あまりにも酷かった。

だから、台湾は親日だと聞くし、実際そうだなと感じる場面も多かったけど、ひょっとしたら後からやってきた国民党と比べれば幾分「マシ」だっただけではないのかと。時が経って美化されている部分もあるのではないかと。というのが今回記念館を訪れてみて生まれた、新たな視点です。

 

雙連朝市の記事でも書きましたが、台湾の人が中国のことを悪く言うのは、なんだか悲しい気持ちになります。だけど、最近の中国の台湾に対する一連の言動は、私も疑問に思います。台湾は台湾という一つの国として認められるべきです。

 

ただ、個人対個人であれば中国にも台湾にも日本にも、いい人もいれば悪い人もいる。中国人だからこう、台湾人だからこう、というのは偏見であり、もう少しフラットに物事を見ないと、と思う。だけど、長い間自分の国というアイデンティティを奪われてきた台湾の人の気持ちは、日本という国が当たり前にある日本人の私には想像もできない。だから何も言えません。

 

これは政府間の問題であり、個人を責めるべきではないのでしょう。でも、何かを政府のせいにしている時点で、政府の思うつぼなんですよね。自分たちがアクションを起こさないと。いくら不満を口にしたって欲の強い人たちはそう簡単には変えられません。

 

アクションといっても大げさなことはいらないのです。とにかく自分で「知る」こと。情報を鵜呑みにしないこと。これは本当かな?と疑いの目を持ちながらいろんな角度から考えること。いろんな場所に足を運び、人に会い、話を聞いてみること。外国人と交流すること。

その国の人と一人でも友人になれたら、その国のことをもっと公平に見てみようと、自分の姿勢も変わるはずです。

 

以上は、あくまで私個人の感想と考察です。書籍やネットで調べたり、現地を訪れたりして、ぜひ皆さんそれぞれが知る機会を持っていただけたらと思います。何が正しいかではなく、いろいろな情報に触れて考えることが大事なので。

 

初めての台湾。自分だけの計画ではきっとおいしい!楽しい!だけで終わっていたことでしょう(;´・ω・)

それはそれで楽しむための旅行も一つ。でもそうとは違う、台湾をより深く知る機会を作れてよかったです。二二八記念館へ行きたいと提案くださった、友人のお母さんに感謝しています。

 

この後は、『孤独のグルメ』台湾編に登場したお店へ行ってきましたよ。次回の更新をお楽しみに!