猴硐から平渓線というローカルな路線の列車に乗って、十分(じゅうふん/シーフェン)まで行ってみました。
平渓線は基隆河の渓谷に沿って走る風光明媚な路線。この区間だけは川の流れがとても穏やかなことから平渓という地名になったそうですよ。
十分といえば、旧暦の1月15日(元宵節)に行われるランタン祭り(平渓天燈節)が有名。無数のランタンが空を舞う様子は本当に幻想的で、テレビや雑誌で見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
九份と比べると観光地としては地味な印象ですが、元宵節に行われるランタン飛ばしが、十分では毎日体験できるのです。行きたかった猴硐猫村と同じ路線にあり、駅からすぐとアクセスしやすいことから、乗り継ぎがうまくいけば行ってみようと旅のプランに入れていました。
十分への行き方は別記事にまとめています。
- 平渓線は観光客に人気のローカル列車
- 列車を間近で見られる十分老街
- 線路沿いにずらりと並ぶ屋台やお土産ショップ
- 願い事を書いてランタンを飛ばそう
- 静安吊り橋から基隆河を眺める
- 十分の猫たち
- 十分観光まとめ
平渓線は観光客に人気のローカル列車
平渓線沿いには3つの「老街(ラオジエ)」という古い町並みが残っています。菁桐老街、平渓老街、そして今回訪れた十分老街です。
最近は多くの観光客が訪れる人気路線にもかかわらず、列車は1時間に一本のみ。そのため平日の昼間でも車内はかなり混雑していました。
14時半頃、十分駅に到着。人の多さにびっくり。人もまばらで静かだった猴硐とは様子が全く違います。
初日に買った悠遊カードは平渓線でも利用可能。線路を渡った向こう側、前方に改札があり、機械にタッチして駅を出ます。改札を通らなくても右へ行けば外へ出れてしまうため、悠遊カード利用の方は機械を通すのを忘れないように!機械は乗車用(進站)と下車用(出站)に分かれています。
列車を間近で見られる十分老街
実は十分老街には伝統的な建物は残っていないのですが、線路の両脇に民家や商店が建ち並び、そのすぐ脇を列車が通り抜けていく様子が見もの。
駅のホーム近くから、早速空に上がっていくランタンが見えましたよ。
私たちが乗ってきた列車と反対方向の列車が入線してきました。平渓線は単線なのでここで上下線の列車が待ち合わせをします。
発車はすぐだろうと思って、駅近くで列車を撮影することにしたのですが、この記事を書くために時刻表を調べなおしてみたら、10分程余裕がありました。着いてすぐ老街の方へ歩いていけば、両脇の建物すれすれに通過する列車が撮影できましたね(;´・ω・)
ここはちょっと失敗したところ。まあ初めてなのでそういうこともあります(笑)これから行かれる方はぜひ早めに行ってシャッターチャンスを狙ってくださいね。
「十分幸福」というのは中国語で縁起のいい言葉。願いを叶えるランタン飛ばしの駅ということで、島根の縁結びみたいなパワースポット感がありますね。
線路沿いにずらりと並ぶ屋台やお土産ショップ
線路の両側にはたくさんの屋台やお店が並んで、見ているだけでも面白かったですよ。
愛玉ゼリーのお店。ホテルの朝食バイキングで食べてみたら、レモンの風味がさっぱりしていて食後のデザートにぴったりでした。
愛玉子というフルーツの種を乾燥させたものを、水の中で揉むとゼリーができるのだそうです。もともとの見た目はこんなの。これがゼリーになるというのが不思議。
台湾ハンバーガーにも惹かれますね。
大好きな羊肉の串焼きがあったので、これと牛肉のを食べました。クミンと唐辛子のスパイスが効いていてビールが欲しくなる味です。
花枝の焼。アジアの観光地にありがちな謎の日本語w
中華菓子いろいろ。こういうのわりと好きなんですけど、たいてい買って帰るともさもさした口当たりで不評なのでやめておくことに。でも試食ぐらいしておけばよかった。
おしゃれなカフェを発見。
大きな木の下の食堂。なんかいい雰囲気だったから撮ってみました。お店の名前もそのまま。
「湯包」は小籠包のこと。コーヒーも飲めるのですね。小籠包はティンダイフォンが有名ですが、私はこういう庶民的なお店の安くておいしい小籠包のが好きだなあ。
食べ物やさんを見てるだけでどんどん時間が過ぎていきそうなので、そろそろランタンを上げに行きますよ。
願い事を書いてランタンを飛ばそう
線路沿いには飲食店だけでなく、ランタン飛ばしのお店もいっぱい。価格はほぼ同じなので、好きなところを選んだらいいと思います。観光客慣れしていて、日本語が通じる店員さんも多いです。
呼び込みのクマさん。このあとおもむろに着ぐるみの頭を脱いでて、びっくりしました。ゆるいww
日本だと怒られますよね、確実に。
願い事は日本語でも中国語でも、どの言語で書いてもOKです。みんな楽しそう。
飛ばす瞬間を激写。
私たちも通りがかったお店で体験してみることにしました。単色のランタンで160元。4色とか色が増えると値段がアップします。
色によって金運とか健康運とか決まってるんですけど、そんなことはすっかり忘れて自由に願い事を書きましたよ。
こんなふうにお店の中で書きやすいようにセッティングしてもらえ、筆と墨も用意されています。4面とも書けたら外に出てランタンを上げに。
お店の人にスマホやカメラを渡せば撮影もしてくれますよ。4面の願い事全てを見せた写真と、ランタンを飛ばすときの動画まで。しかもめっちゃ手馴れていて、いい感じに撮ってくれるのです!
旅の無事と、「海外を自由に旅したい!」という夢を願ってランタンを飛ばしました。
(あとでよく見たら後ろの二人がポーズ決めてるww)
斜め掛けしているのはバイストンで買った倉敷帆布のトートバッグ。両手が空いて荷物がたっぷり入るので、海外旅行のときは重宝しています。
空に上がったらあっという間。ランタン飛ばしは正直どっちでもいいかなと思ってたんですけど、やってみてよかったです!純粋に楽しい。
終わったら、墨で汚れた手を洗うための手洗い場までありました。至れり尽くせり!
1時間に一本しか列車が来ないため、線路の上は行き来が自由。不思議な光景。(安全上の理由で本当はだめらしいんですけどね。)
美咲町の吉ヶ原駅でも列車や線路を間近で見られたけど、現役ではないんですよね。こんなふうに線路の上を歩くってなかなか貴重な経験。
静安吊り橋から基隆河を眺める
十分駅からすぐのところに大きな吊り橋「静安橋」があります。
板が敷き詰められていて下が見えないため、意外と怖くなかったですよ。
今回は時間がなくて行きませんでしたが、基隆河沿いを歩いていくと「十分瀑布」という大きな滝が見れます。台湾のナイアガラと呼ばれているそうですよ。
十分の猫たち
猴硐ほどではないですが、十分でもかわいい猫さんたちを見かけました。
ランタン飛ばしのお店の手洗い場のそばに隠れていた猫さん。
煮玉子の鍋の向こうに何かいますね(笑)
お店の人に写真撮ってもいいか聞いたら、せっかくだからこっちから撮りなよ、とレジ側にまわらせてくれました。このゆるいノリが好き。
すやすやと眠る猫たち。
十分は茶トラさんが多めでしたね。
十分観光まとめ
十分での所要時間は約1時間。夜は台北で友人と晩ご飯を食べる約束をしていたので、次の列車には乗れるように駆け足でまわりました。
ランタン飛ばしは、やっぱり夕暮れから夜にかけてが幻想的でおすすめだそうです。その時間帯を狙ってくる人が多くさらに混雑しそうですが、時間と体力の余裕があれば、滝を見たりしながら夕暮れまでゆっくり3時間ぐらい取ってもいいのではないでしょうか。滝までは片道30分程かかります。
今回の私たちのように猴硐とセットでまわる人や、タクシーを使って九份と合わせたプランを組む人も多いようです。平渓線の旅を満喫するなら、一日かけて菁桐老街や平渓老街を一緒にまわってみるのもいいですね。
次回は猴硐と十分への行き方を紹介します!