晴れの国から旅まち巡り

岡山に移住した三重県人によるブログ。岡山を中心に旅やグルメの記録を発信。

西加奈子『円卓』を読んで。大事なのはイマジン

大好きな西加奈子さん。直木賞を受賞されて、本当に嬉しいです。

数ある西さんの作品の中から、人と向き合うことや、言葉のやりとりについて考えさせられたこの本、『円卓』を紹介したいと思います。 

entaku

 


芦田愛菜主演で、映画化もされています。

 

主人公「こっこ」こと渦原琴子は、孤独や人と違うことに憧れる小学生の女の子。

全然キャラは違うけど、小学生の頃、とても口下手で不器用で、うまく言葉を外に出せなったので、なんとなく彼女が悩む気持ちがわかります。

 

特に印象に残ったのが、大事なのは「イマジン(想像する)」だということ。そしてそれは年を取ってからのほうがわかることもあるということ。

 

悪気はないのに発した言葉が、人を傷つけたり怒らせたりしてしまうこともあると思う。だけど、時が経つにつれて、あのときこうだったのかな、ってふと誤解が解ける瞬間もあるんじゃないかなと。

 

以前講師の仕事をしていたときに、10代の子に大事なことを伝えないといけない場面もいくつかありました。どうやったらうまく伝わるかな、もう少し言い方変えたらよかったかな、ってあとから悔やんだり悩んだりすることも。

 

でも、心で思ってない言葉を発しても、なんとなくそういうのはばれてしまうんじゃないかと。

だから、うまく伝わる自信がなくても、本気で伝えよう、そしてその本気はいつか彼女たちにも伝わるときが来るはず。

そう思わせてくれたのが、この小説でした。

 

笑いあり、じーんとくる場面もあり、おすすめです。

“9歳だったすべての方へ!”(西さんブログより)

西加奈子 Official Website: 「円卓」文庫化です!