三年に一度のアートの祭典、瀬戸内国際芸術祭2016が始まりました!
岡山に引っ越すまでは島へのアクセスを考えるとハードルが高くて、なかなか行けない憧れのイベントでした。
今年はせっかく近くに住んでいることだし、瀬戸内国際芸術祭のパスポートを前売りで購入。念願叶っての初芸術祭参加です!前売り券は4,000円で、当日券より1,000円安くなっています。
沙弥島へのアクセス
沙弥島(しゃみじま)は瀬戸大橋のたもと、香川県坂出市にあります。春会期のみの開催のため、最初に行ってみることにしました。
ちなみに島といっても現在は埋め立て地により陸続きになっていて、船に乗らなくても行くことができます。アクセスは坂出市のページがわかりやすいです。
瀬戸内国際芸術祭2019 沙弥島・瀬居島アクセス - 坂出市ホームページ
平日であまり混雑しなさそうだったのと、時間を気にせずまわりたかったので、今回は車で行くことにしました。岡山からは約1時間で到着。瀬戸大橋記念公園の西駐車場(無料)を利用。総合案内所に近く便利でした。
沙弥島エリアの芸術祭作品
美術館~西ノ浜
案内所でチケットを交換。地図をもらって散策開始!
絶好の島巡り日和。まぶしいぐらいにきれいな青空。
おしゃれな建物は東山魁夷せとうち美術館。中のカフェは小さいながらも海を眺められる贅沢な空間でした。時間がなくてちらっと覗いただけでしたが、次はぜひゆっくり立ち寄りたいです。
沙弥島会場では写真のような看板が要所要所にあって、迷わず作品を見つけることができました。
看板の向こうに見える小高い丘も作品の一つ。斜面に沿って登っていくことができます。見て感じて、体験できるのが現代アートの良さですね。
頂上から見下ろしたところ。季節によって芝生の色が変わっていくのを楽しめます。会期に関係なくいつでも見られるので、新緑の季節にもいいかもしれません。
階層・地層・層 ターニャ・プレミンガー
芝生の広場を抜けると、小さな港がありました。ここから島っぽい雰囲気に。
沙弥島海水浴場。島の周りには澄んだブルーの海が広がっています。近くに工業地帯があるにもかかわらずどこも水がきれいなのは、地域の人たちによる環境保護活動の賜物。
トイレとシャワー室を備えた海の家。これも作品の一部で、手前には食堂があります。屋上は展望台になっていて海を眺められます。
沙弥島・西ノ浜の家 藤山哲朗+冨井一級建築設計事務所
食堂ではお弁当、うどん、おでんを売っていました。おでんは味がよく沁みていておいしかったです。
お昼過ぎに行った時点でお弁当は既に売り切れ。営業時間は14時までなので、食事をするならお早めに。うどんWiFi完備です!
海水浴場にある、いちばん楽しみだった作品。瀬戸大橋でつながる沙弥島、瀬居島、与島、岩黒島、櫃石島の5つの島で行われた、ワークショップの参加者によって編まれた漁網。
島で暮らす漁師が先生となり、島に集まった人たちに編み方を教えたそうです。
漁網を編むことで人と人をつなぎ、海や島の記憶をつなぎ、完成した網の目を通して土地の風景を捉え直す、という目論み。作家さんご本人のブログに、ワークショップのいきさつが書かれていて面白い。
そらあみ<島巡り> 五十嵐靖晃
こちらは有料作品の会場、万葉会館の入口。狛犬ならぬ狛パンダが鎮座しています。
レバーを回すと、パラパラ漫画に。皆黙々と読んでいる光景がちょっと奇妙です。
12島の物語回遊式アニメーション 蓮沼昌宏
旧沙弥小中学校
鯉のぼりが上がる旧沙弥小中学校。
地元の子どもたちと描いた島の絵。
Las Islasーしま・しまー 中山玲佳
校舎内にあるえのきカフェ。香川名物、あん餅雑煮もあります。お昼はうどんの予定だったので寄りませんでしたが、一度は食べてみたい。
懐かしい感じの手洗い場。
白い雪のように見えるのは、なんと塩!長靴を履いて、歩くことができます。瓶に入っているのは金時人参を使ったピクルス。
坂出は塩業で栄えた歴史があり、金時人参は地元の特産品。こちらも地域の親子が参加するワークショップにより制作されました。
ハレの日、金時への道 かわいひろゆき
校舎内の作品は有料。「三つの赤」がテーマになっていて、赤色の作品が続きます。
空飛ぶ赤いボタン 戸矢崎満雄
島の学校の小さな図書室。
回転する赤いネジ。くるくると回る本。
赤いネジ しりあがり寿
ナカンダ浜から遊歩道を散策
瀬戸大橋を一望できるナカンダ浜は、縄文土器が出土する遺跡として研究者の注目を集めています。
赤い窓の回廊 藤山哲朗
地図を見ながら島をさらに散策。ナカンダ浜から柿本人麻呂歌碑のある方へ。
とにかく水がきれい!澄んだブルーに心が洗われます。
飛鳥時代の万葉歌人、柿本人麻呂は沙弥島にも滞在して和歌を詠みました。オソゴエ浜の先端にある柿本人麻呂碑。人麻呂の詠んだ和歌の心を後世に伝えるため、坂出出身の作家、中河与一が昭和11年に建立したものだそう。
林の中を散策。遊歩道を進みます。
展望台から再び瀬戸内海を眺め
木のトンネルを抜け
海水浴場の方に出てきました。
瀬戸大橋記念公園周辺
駐車場付近に戻って次の作品へ。
Rippled Sky for Hitomaro ジティッシュ・カラット
さらに瀬戸大橋記念館まで歩いて、沙弥島作品制覇!こちらの椅子は普通に座って休むことができます。橋や空を眺めて一息。
八人九脚 藤本修三
途中で食事をしたり島の周りを歩いたり、かなりゆっくりのペースでしたが、だいたい3時間ぐらいでまわれました。
坂出で讃岐うどん@やなぎ屋西大浜店
沙弥島をあとに、うどん休憩。やなぎ屋西大浜店で醤油うどんをいただきました。うどんを受け取るときにお礼を言ったら、「こちらこそ!」と返ってきたのが地味によかったです。
香川県坂出市西大浜北2-48-22
JR坂出駅から徒歩20分。坂出北I.C.乗り口左側、坂出プラザホテルの向かい。
月~日、祝日、祝前日: 07:00~20:00
定休日:なし
高松港周辺の芸術祭作品
当初沙弥島だけの予定で来ましたが、芸術祭の公式グッズショップも見たいし、屋外作品なら見られるのもあるかもってことで高松港へ。
沙弥島から高松港までの移動は50分程度です。パスポートを持っていると高松港の駐車場が2回まで無料で利用できます。
作品の間から覗く、明るい月。
Liminal Air -core- 大巻伸嗣
夕暮れの港もなかなかいいものです。
芸術祭の作品ではないけど、灯りがともって幻想的。
桟橋から望む港の夜景。
暗かったのもあるし、沙弥島ほど地図や看板がなくて、この作品を見つけるまでだいぶ時間がかかってしまいました(;^ω^)
ハッピースネーク ジョゼ・デ・ギマランイス
不思議な形をした巨大な作品。種の漂流をイメージした船だそうです。
テレビ中継があるとのことで、特別にライトアップされていました。行き当たりばったりのわりにラッキーでした。
国境を越えて・海 リン・シュンロン(林舜龍)
おわりに
作品をしっかり見たくてパスポートを買いましたが、実は無料で見られる屋外作品もいくつかあります。
アートはわかろうとするものではなく自由に感じるもの。だから、現代美術って難しいし、そんなにお金払えないよっていう方も、ぜひ無料作品だけでも巡ってみることをおすすめします。
今回参加してみて、本当に楽しかったので!!
特に沙弥島と高松港、そして岡山にある宇野港は公共交通機関でもアクセスしやすく、岡山駅からは日帰り圏内。アートや島や瀬戸内の魅力がたくさんの人に伝わってほしいし、足を運んでみることでまた行きたいって思うきっかけになれば嬉しいです。

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