一年前に行った岡山の離島、真鍋島。猫編とグルメ編を書いたものの観光編を書くのをすっかり忘れていたので、今さらですがアップします!
真鍋邸となまこ壁の路地
まずは真鍋島の本浦港からほど近く。真鍋邸と大きなホルトノキ。
真鍋島は真南辺の島、つまり備中国小田郡の南端にある島という意味で、後に真鍋の字をあてたと考えられているそうです。
真鍋家は平安時代末期から島の有力者として栄えてきました。主屋は国の登録文化財に指定されており、明治初期に建てられた木造家屋で風格漂う書院造りの座敷を有します。
軒先には樹齢250年といわれる太い幹を持ったホルトノキがあります。県内では珍しい樹木で、一説には平賀源内が讃岐に苗木を持ち込んだものが、やがて真鍋家に伝えられたといわれています。
家紋が彫られた立派な屋根瓦。
お屋敷の中も見てみたかったのですが公開はされていませんでした。真鍋邸近くの路地にはなまこ壁も。
現役の木造校舎が残る真鍋中学校
今でも現役で使われている木造校舎。昭和24年に建設された真鍋中学校です。
このときスマホの調子が悪くて靄がかかった感じになってしまっているのが残念。とても趣のある校舎なのです。
真鍋中学校は映画『瀬戸内少年野球団』のロケに使われました。
原作は作詞家として有名な阿久悠。淡路島出身だったんですね。先生役を演じた夏目雅子はこの作品が遺作となったそうです。
学校の中に神社がありました。校長室と書かれた札が渋い。
教職員に声をかければ校舎内の見学もできるそうです。この日は学校がお休みだったため、ガラスのドア越しに廊下を撮影。
真鍋島の小さな通りを歩いてみる
あとは適当に島の中の路地をぶらぶらと散策。小さい島なのでとりあえず海を目指せば元の場所に戻ってこれます(;^ω^)
干物がかかってるのが港町らしい。
時が止まったかのように残る古いものもちらほら。
笠岡といえばカブトガニ。マンホールの絵柄に。
迷い込んでしまった民家の並ぶ路地。煉瓦造りの壁にも歴史を感じます。
のどかな島の風景が続きます。
旅館の看板があるけどもう使われていないのかな?
車が通れないような小さな路地が真鍋島にはまだ多く残っています。
真鍋島への行き方
真鍋島へは岡山県の最西端にある笠岡から旅客船に乗ってアクセスできます。
笠岡はひまわりやコスモスの花畑で有名。笠岡駅の前には花で飾られたポストがありました。
笠岡駅から船の乗り場までは歩いて5分ぐらい。
駅前を出て右に曲がり、少し歩くと右手に地下道の入口があります。あまり目立たないので通り過ぎないよう注意。足元を見ると、道路に地下道への矢印が書かれていますよ。
地下道に入れば、あとは港への案内看板に沿って行けば大丈夫です。
笠岡港住吉乗り場。昭和な雰囲気が残っています。
私たちが行ったときは乗り場の建物がリニューアルする直前でした。
今は新しくなった旅客船ターミナル「みなと・こばなし」が西へ約50m程のところにあります。
建物はリニューアルしても切符の販売は券売機のみでの対応のようなので、小銭を用意しておくと無難です。
笠岡港から真鍋島本浦港まで(※2018年3月10日現在)
高速船で44分(1日4便)/普通船で70分(1日4便)
料金 高速船1,760円/普通船1,020円
小型の旅客船に乗って真鍋島へ。
船内はこんな感じ。こじんまりとしています。
途中寄港した北木島はお笑い芸人「千鳥」の大悟の出身地。
笠岡駅まではJR山陽本線で岡山から約45分、倉敷から約30分。福山からは約15分と広島県寄りなので、猫の多い尾道の町と合わせて訪れるのもいいかもしれません。
駅周辺にはおいしい笠岡ラーメンが食べられるお店があります。時間があれば行ってみるといいですよ。
真鍋島を訪れてみて
旅先で出会う「非日常」は楽しい。でも島の人たちにとってはこれが日常。交通の便が限られ、若い世代が都市へと出て行けば島は衰退してしまうというのが現実。
田舎暮らしや島暮らしは憧れだけではできないと、瀬戸内海の小さな島々を訪れる度に強く感じます。
だけど便利なことばかりがいいとは限らないし、誰かにとっては小さな島で暮らす方がいいこともあるかもしれない。
観光資源に触れ、島の暮らしを体験する機会があれば、住む場所の一つとして島の存在を知ることにもきっと繋がります。
記録に残すことで、誰かが島に興味を持つきっかけになればいい。個人の旅行記というのは、そういうところに価値があるんじゃないかと思うのです。
穏やかな瀬戸内海の景色に会いに、島旅へ出かけてみてはいかがでしょうか。