岡山で地元の人に愛されるお饅頭、大手まんぢゅう(まんじゅう)をご存じでしょうか。
岡山土産といえばきびだんごが有名ですが、岡山の人にとって代表的な和菓子は、この大手まんぢゅうなのです。
大手まんぢゅうを販売しているのは、岡山市北区京橋に本店がある大手饅頭伊部屋(おおてまんじゅういんべや)。江戸時代から続く老舗のお店です。
文化人にも親しまれている、大手まんぢゅう。岡山出身の作家、内田百間の好物だそうで、学生時代を岡山で過ごした原田マハも、小説『でーれーガールズ』の中で取り上げています。
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さらに、大手まんぢゅうとよく似た倉敷の銘菓、藤戸饅頭本舗(ふじとまんじゅうほんぽ)の藤戸まんぢゅう(まんじゅう)も人気です。
ネットで画像を見てみても、大手まんぢゅうと藤戸まんぢゅうは本当にそっくり。地元愛から岡山市民は大手まんぢゅう派、倉敷市民は藤戸まんぢゅう派とも言われています。
せっかくなので、両方とも買ってどんな違いがあるのかを調べてみることにしました。
大手饅頭伊部屋の大手まんぢゅう
大手まんぢゅうの由来
大手饅頭伊部屋の創業は江戸時代(1837年)まで遡ります。備前藩主から愛され、お店が大手門近くにあったことから大手まんぢゅうと名付けられたそう。
株式会社大手饅頭伊部屋は天保八年(1837年)弊店の初代伊部屋永吉が、いまの営業地京橋町で創業しましたが、当時の備前藩主池田侯から特に寵愛を受け御茶会の席には必ず伊部焼の茶器とともに愛用されてきました。大手まんぢゅうの名称は、当店が岡山城大手門の附近にあったため藩侯からいただいたと伝えられております。
大手まんぢゅうのパッケージと見た目
袋入り(10個)の大手まんぢゅうを購入。箱入りのもあります。
一つ一つ紙のケースに包装されていて、ピンクのデザインがかわいい。
うっすらと白いのが甘酒から作った薄皮。皮は気持ち程度で、食べてみるとほぼあんこ(こし餡)です。
ホームページで大手まんぢゅうのアレンジレシピが紹介されていて、お汁粉やアイスなどちょっと変わった食べ方も楽しめますよ。
くらし器てぬぐいGochaとのコラボ手ぬぐいが登場。おまんじゅうの柄がリアルでかわいい。
藤戸饅頭本舗の藤戸まんぢゅう
藤戸まんぢゅうの由来
藤戸まんぢゅうの起源は大手まんぢゅうより古く、源平合戦の時代、戦いで犠牲になった村人を藤戸寺で供養し、その際に供えられたおまんじゅうがもとになっています。
源平合戦の古戦場として知られる史跡・藤戸の渡し。源平盛衰記によると、源平両軍が大戦した寿永三年(1184年)、この辺りは一面海であった。源氏の将・佐々木盛綱は、村人の案内で藤戸の浅瀬を馬で渡り、平家の虚を衝いて大勝。しかし作戦の秘匿上、この村人を斬り捨てた。村人の霊を永さめる供養が藤戸寺で行われ、近くの民家からまんじゅうが供えられた。これが藤戸まんぢゅうの起源だと伝えられています。
藤戸まんぢゅうより
元禄時代頃まではお寺の境内の茶店で売られ、今のお店ができたのは江戸時代に入ってから、1860年のことだそう。結局どっちが先なんでしょうね(;・∀・)
いずれにせよ、両店とも古くから続く由緒ある和菓子店であることは確かです。
藤戸まんぢゅうのパッケージと見た目
藤戸まんぢゅう箱入りを買ってみました。昔ながらの竹の皮で包んだものもあります。包装も渋いですね。
箱の中に竹の皮が敷かれています。見た目は大手まんぢゅうとあまり変わらず。
同じく甘酒ベースの薄皮にたっぷりのこし餡。包みがなかったら、どちらが藤戸まんぢゅうなのか見分けがつかないのでは?
冷凍での保存が可能と書いてあるので、藤戸まんぢゅうも冷やしたりレンジで温めたりアレンジできそうです。
倉敷市藤戸町にある藤戸饅頭本舗の本店は、100年以上前に建てられた趣ある建物。映画『ALWAYS三丁目の夕日』のロケ地にもなりました。
岡山の人気ジューススタンド、マルゴデリとの新しいコラボも。藤戸まんぢゅうのあんこを使ったおしるこが期間限定で販売されています。
大手まんぢゅうと藤戸まんぢゅうの比較まとめ
味と食感
大手まんぢゅうの方がしっとりしていて、甘味が強いように感じました。
藤戸まんぢゅうは皮が若干硬め。素朴な甘さです。また、こちらの方が甘酒の風味がしっかりしています。
大手まんぢゅうの甘酒は糀とお米から作られているのに対し、藤戸まんぢゅうは酒粕から作った甘酒を使用しています。風味の違いはそのためかもしれません。
賞味期限
大手まんぢゅう:1週間
藤戸まんぢゅう:3日間
藤戸饅頭本舗のホームページより、藤戸まんぢゅうの原材料は全て無添加で、保存料を一切使っていないそうです。
大手まんぢゅうについては、保存料等の記載がホームページにはなかったのですが、選りすぐりの材料から作られていて、安心して食べられます。北海道産の小豆、特別に注文して生産された高級砂糖、岡山の備前米から作った糀などが使われています。
価格
大手まんぢゅう
箱入り:10個/972円~
袋入り:10個/864円
藤戸まんぢゅう
箱入り:10個/ 1,030円~
竹の皮包み:10個/960円
藤戸まんぢゅうの方がやや高めの価格設定。
※価格は変動する可能性があります。最新情報は公式ホームページ等でご確認ください。
購入のしやすさ
大手まんぢゅうの方が取り扱い店が多く、関東でも高島屋日本橋店・新宿店・横浜店で購入が可能です。藤戸まんぢゅうは第4木曜日のみ新宿高島屋でも販売されています。
岡山駅のさんすて館、天満屋倉敷店、アリオ倉敷の天満屋ふるさと館では両方とも販売されているので、岡山駅と倉敷駅周辺ならどちらも入手しやすいです。
藤戸まんぢゅうの方があまり知られていない分、レア感があるかも。
公式ホームページ
大手まんぢゅう:岡山備前銘菓┃大手まんぢゅう
藤戸まんぢゅう:藤戸まんぢゅう
おわりに
岡山を代表する銘菓、大手まんぢゅうと藤戸まんぢゅう。どちらも昔からの定番手土産とあって、甲乙つけがたくとってもおいしいのですが、個人的には藤戸まんぢゅうの方が好みです!皆さんはどちら派でしょうか?
見かけたらぜひ食べ比べてみてくださいね。
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