倉敷美観地区で友人が開催する中国茶のイベントに行ってきました。
会場は美観地区の入口にある、倉敷物語館。先日ちょうど、倉敷とことこで記事を公開したばかりの場所です。誰でも自由に立ち寄れ、リーズナブルにイベントスペースを借りることもできるんですよ。
イベントでは、岩茶という珍しい烏龍茶を飲ませてもらいました。
学生時代に留学していた頃から中国茶には興味を持っていて、ときどき家で飲んだりもするんですけど、岩茶のことは今回初めて知りました。
武威岩茶は香りを長く楽しめる稀少な烏龍茶
岩茶は中国福建省にある武夷山で採れるお茶。烏龍茶の一種で、中国茶の青茶に分類されます。
日本で有名な烏龍茶に鉄観音がありますね。鉄観音は武夷山の南部、岩茶は北部で栽培されています。
岩茶は1年に1回しか採れない上、武夷山がユネスコの世界複合遺産に登録されていることから、車両の侵入が規制されていて、収穫や運搬は全て手作業。大変稀少なお茶で、中国でもあまり出回っていないのだとか。
その中でも貴重な大紅袍という、野生の岩茶を試飲させてもらいました。
お湯を継ぎ足しながら何杯もいただく中国茶。岩茶は中国茶の中でも特に長く香りを楽しめるお茶なのだそうです。
七碗茶詩という、唐代の詩人がお茶のことを詠んだ歌を教えてもらいました。1煎ずつ飲んでいくごとに、体と心が変化していくさまを表していて面白い。
喉を潤し、孤独や悩みを吹き飛ばし、3煎めには「5千の文字があるだけ」。お茶を嗜む文人が多かったことから、3杯飲む頃にはたちどころに文章が浮かび上がってくるという喩えなのだそう。
さらに最後の7煎めには「飲まなくていい」と悟りのような境地(笑)
そのぐらい、岩茶は一杯一杯を丁寧に味わうお茶なのだと思います。
7煎めまで少しずつ変わる香りと味を、友人たちとお話ししながらじっくり堪能させてもらいました。
岩茶には武夷山のミネラルが含まれている
岩茶のもう一つの魅力は、ミネラルをたくさん含んでいること。
「岩のお茶」の名前の通り、岩茶の木は武夷山の岩肌や、岩が風化してできた地面に生えています。そして、岩肌を流れる水を吸って成長するので、武夷山の岩に含まれるミネラルがお茶にしみ込んでいるというわけです。
さらに、岩茶にはカフェインがほとんど入っていないそう。夜眠れなくなるということもなく、飲むと体がぽかぽか温まってきます。
辰翼茶荘は自社茶園を武夷山に所有
今回の中国茶イベントは、友人夫婦が中国と倉敷で経営する辰翼茶荘(しんよくちゃそう)というお店が主催でした。
岩茶は採れる場所やお茶の木の品種によって、様々な種類のものがあります。中にはほのかにミルクのような香りがするものも。
私が買った茶葉は二種類。一つは奇蘭というオーソドックスな岩茶。もう一つは白瑞香。花の香りに似た匂いが特徴です。
試飲した大紅袍ほど高価なものではなく、8g入りで500円程度。大紅袍は野生の岩茶で管理が難しいものなので、8g入り1,700円といいお値段がします。
辰翼茶荘は武夷山に茶園を持っているため、品質は確かなものです。ネットではもっと安く売っているところもありますが、どこで採れたかがはっきりしていて、栽培から販売まで自社で管理しているという安心感が違います。
高価なお茶を上手に入れられる自信がなかったので、大紅袍は買わなかったのですが、家にある中国茶器「蓋碗」で岩茶を入れてみたら、思いの外おいしく飲めました。今度は買って帰ろうかな。
1煎めの香りには本当に癒されるし、言葉で伝えるのは難しいのですが、舌にほのかに残る甘みが心地いいんですよね。ジャスミン茶の香りも好きだけど、それとはまた違った良さがあります。
他の中国茶と比べると高級な感じがしますが、8gから買えるのはありがたいかな。たいていは少なくても50gぐらいからなので。
8gはポットで1回分、蓋碗なら2~3回分ぐらいで飲み切れる量。封を開けたばかりの新鮮さをキープするにもほどよい量なのではないでしょうか。
外でも岩茶が飲める便利な携帯タンブラー
イベントでは持ち歩けるユニークなタンブラーも売っていました。
1つ2,800円。辰翼茶荘で独自に開発をしたものだそう。2回の改良を経て、外で岩茶をおいしく飲む工夫がされています。
茶葉を入れてお茶を抽出する部分と、出したお茶を入れて飲むための部分に分かれています。真ん中のボタンを押すと、お湯が移動する仕組み。
日本に岩茶の魅力を広めたい!劉さん夫婦の夢
久しぶりに会った友人の劉さん。知り合ったのは、2016年に参加したクリスマスケーキ教室がきっかけ。
今回の中国茶イベントは一緒に行く人が見つからなくて、どうしようかと迷ってたんだけど、彼女に会いたくて足を運びました。
会っていない2年の間に、結婚されお母さんになっていてびっくり!
お茶を囲んでたくさん話ができたし、中国語繋がりで新しいお友達とも出会えて、一人でも行ってみてよかったです。
中国茶を入れていると、いい香りが漂い、ゆったりとした時間が流れます。劉さんがFacebookの投稿に「お茶は友達を呼ぶ」と書いていたのが印象的でした。
劉さんのご主人の張さんがお茶を入れてくれました。
劉さんご夫婦はいつか倉敷美観地区に中国茶館を開くのが夢だそう。実現したら、毎日通いたいぐらい(*´ω`)
そして次は武夷山の茶園に行って、現地の様子をレポートしてみたいなあ。
岩茶を日本の人にもっと知ってほしいとのことなので、興味を持った方は辰翼茶荘までお問い合わせくださいね。人数が集まれば、お茶会もできるそうですよ。公式サイトから、茶葉のオンライン購入も可能です。
辰翼茶荘の岩茶鑑賞センター
TEL:086-425-3933(日本語OK)
ウェブサイト:辰翼茶荘 | 岡山・倉敷で贈答用武夷岩茶の販売
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