雍和宮近くの路地裏にある一承茶舎は、北京の昔ながらの家屋「四合院(しごういん)」を改装した中国茶館。北京で必ず一軒は中国茶館に入ってみたくて、候補に入れていました。
海外旅行向けガイドブックとしてお馴染みの『地球の歩き方』をパラパラとめくっていたらふと目に留まったこの茶館。
高徳地図で一承茶舎を検索。すると、猫がいるとの口コミを発見。
ガイドブックに載ってた北京の路地裏の茶館。口コミ見てたら猫さんがいるっぽい😻これは外せない。
— meg (@yukimegri) August 18, 2019
点击查看此点位置 https://t.co/HTh4pJkGgq pic.twitter.com/dIAIKLyir4
中国茶、四合院、猫ときたらこれはもう行くしかない。私の好きなものを集めたような場所。友人もこういう雰囲気のところを求めていたと、すごく気に入ってくれました。
北京の小さな路地「胡同」の奥に隠れているのもまた魅力的。ゆったりと静かな時間を過ごせる、本当に居心地のいい茶館です。
- 雍和宮から一承茶舎までの道のり
- 優しい店員さんが出迎えてくれる
- 四合院を生かした開放的な中庭席
- 東西の貸切個室は商談や接待向き
- 暖かな母屋のテーブル席
- 花茶と紅茶を1種類ずつ注文
- お茶菓子を食べながら過ごす優雅なひととき
- ソファー席でくつろぐ看板猫さん
雍和宮から一承茶舎までの道のり
一承茶舎はチベット仏教寺院「雍和宮」から歩いてすぐ。
国子監と孔子廟がある国子監街を西に進み、左手の路地に入ったところにあります。
成賢街と書かれた門があるのが国子監街。国子監は、近代までの最高学府。賢くなる通りという意味でしょうか。
国子監街の並木道の両脇には、灰色のレンガ造りの伝統的な建物が並んでいて風情があります。
細い路地「胡同」を左に入り、赤い提灯がかかっているのが一承茶舎の入口です。
雍和宮西2門から徒歩2分。国子監街の通りからすぐですが、小さな路地の奥にあってわかりにくいため、地図アプリで現在地を確認しながら行くといいですよ。
住所:北京市东城区国子监街8号
営業時間:10:00-22:00
高徳地図リンク:一承茶舎
優しい店員さんが出迎えてくれる
入口から中を覗いてみると、想像していた通りのいい雰囲気。
友人が「なんか空気が違う」と言っていたけど本当にそう。
中国の伝統的なデザインがおしゃれ。
きれいに手入れされていて、絶対にいいお店だと確信。そして、店員さんが素敵な笑顔で出迎えてくれました。
優しい口調でお好きな席へどうぞと案内してくれます。中国茶館ってどうやって注文したらいいのかいまいちわからず聞いてみたら、メニューを持ってくるからゆっくりくつろいでね、と。
四合院を生かした開放的な中庭席
写真もOKということで、待っている間にたくさん撮らせてもらいました。
四合院という北京の伝統家屋を生かした店内。四合院の院は「院子(yuan4zi/ユアンズ)」、つまり中庭のことで、東西南北4棟の建物によって四方を囲まれた中に庭がある造りになっています。
今まで北京で四合院を見る機会がなかったので、ようやく自分の目で見て納得。
北京の人は小鳥やコオロギを飼って鳴き声を楽しむ習慣があるんですよ。
この日は外でも寒くなさそうだったので、中庭のテーブル席に座らせてもらうことにしました。
東西の貸切個室は商談や接待向き
東西に並ぶ2棟の建物には貸切にできる個室が。1部屋だけ開いていたので見させてもらいました。
個室利用には、 包間費という別料金がかかります。
西側:最初の1時間200元(以降100元/時間)
東側:最初の1時間100元(以降60元/時間)
部屋を二人で1時間貸切にすると、お茶代と合わせて最低でも一人208元(約3,200円)かかります。今までの私たちの食事代(20~40元)と比べると、けっこうな値段ですよね。
個室を利用していたのが、男性ばかりだったのが意外。(なんとなく日本だとこういう場所では女子会が多いイメージ。)
この値段であれば、商談や接待に使われるのも頷けます。
暖かな母屋のテーブル席
4つの棟が全て中庭に面している四合院では、いちばん日当たりのいい北側の建物が主人の住む母屋。
母屋の中の席は空いていれば追加料金なしで自由に座れます。
暖房が効いていて暖かい。初め中庭の席でお茶をいただきましたが、夕方冷えてきたら中へどうぞと声をかけてくれました。
個室ではないけどテーブルごとに布で仕切られています。
調度類がどれもセンスよく、うっとりと眺めてしまいます。いつまで見てても飽きない。
花茶と紅茶を1種類ずつ注文
メニューを撮ろうと思ったら、友人が写真映えするようにセッティングしてくれました。さすが。私こういうセンスなくて(笑)
大好きなジャスミン茶(茉莉花茶)と、日本であまり聞いたことがなかった「金駿眉(ジンジュンメイ)」という紅茶を注文しました。
中国人の友人夫妻のおかげで、メニューの中になじみのある武威岩茶の名前を見つけられましたよ。
真ん中あたりの大紅袍、武夷水仙、武夷肉桂の3つ。家で自分で中国茶を淹れるぐらいなので、わりと知っているお茶も多かったです。
今回一つは飲んだことのないものをと、紅茶に挑戦。あとで調べてみたら、金駿眉も武夷のお茶なのだそう。
お茶のメニューは全部で15種類。1人158元(約2,500円)から。ポットはシェアも可で、398元(約6,200円)から。この価格にお茶菓子も含まれています。
上段の「位」が一人あたりの価格、「壺」がポットあたりの価格です。
茶館で飲む中国茶ってけっこう高いんですよ。
上海で一度一人で入ったことがあるんですが、そのときもカップのジャスミン茶が70元ぐらい(約1,000円)しました。
ただ、カップでオーダーしてもお湯のおかわりは自由なことが多いです。もう少し単価が高くなると、お茶菓子や軽食が食べ放題だったり。お店によっては最低消費価格が設定されていることも。
その辺りの決まりがよくわからず、一人では割高になりがちで、あまり茶館を巡れなかったんですよね。今回は2人なので、お茶とお菓子をシェアして過ごせば多少高価でも非日常を味わう体験になるかなと。
ちょうど先日DAIKIさんが、アマン東京のアフタヌーンティーの記事に「非日常的な時間・空間を堪能することができた」と書かれていて、そうそうこの感覚、と頷きながら読んでいたところ。
ここ一承茶舎でも、優雅で落ち着いた空間と、細やかなサービスに感動しました。
茶葉と茶器が運ばれ、店員さんが目の前でお茶を淹れてくれます。ポットではなく1人分ずつ頼んだので、蓋碗で。
まずはジャスミン茶から。香りがよくて口当たりがやわらかく、なんで日本で飲むのとこんなに違うんでしょうね。やはり本場で飲む方がおいしいです。
お茶菓子を食べながら過ごす優雅なひととき
色あざやかなお茶菓子にテンションが上がります。赤いフルーツトマトと、ゴマのついたかりんとう、クッキーに豆菓子。
この豆菓子が八角の香りがして好みの味でした。
店員さんがそのままテーブルについておかわりをティーサーバーに入れておいてくれます。しばらくするとあとはご自由にどうぞという感じに。
気持ちいい中庭で空と木々を眺めながら優雅で贅沢な時間。
日が傾いてきたら、母屋のテーブルに移動して今度は紅茶を淹れてもらいました。
店員さんはどちらも優しい笑顔で、話し方も本当に上品なんです。友人がこんなに声の小さい中国人に会ったの初めて!と驚いていたぐらい(笑)
西洋の紅茶とはまた違った味わい。しっかり茶器が温められていて、冷めにくいからいっそうおいしく感じます。
写真の左奥にある電動ポットはセンサーがついているのか、ときどき自動で沸騰するもよう。いいなあ、便利。
ソファー席でくつろぐ看板猫さん
お目当ての猫さんにも会えました。初め姿が見えなかったので尋ねてみると、中で寝てるよと教えてくれてちょっとお邪魔しに。
もうだいぶお年を召しているのかな。とってもおとなしい茶トラ猫さん。お客さんの向かい側で、のんびりくつろいでいたようです。
ここを訪れるためだけに北京にもう一度行きたくなるぐらい、素敵な素敵な茶館。2時間ぐらいまったりと過ごして外に出たら、すっかり日が暮れていました。